【専門性と働き方改革】


日本ではあまりなじみのないアメフトは専門性の強いスポーツです。
ルールは単純で、自陣から相手陣の奥にあるゴールにボールを運べば得点です。
オフェンス側には1度に4回の攻撃権を与えられます。4回の攻撃権の中で10ヤード、ボールを前に進めると、再度4回の攻撃権をもらえます。
それを繰り返しボールをゴールに運べば得点です。
ディフェンス側は10ヤード進ませないように邪魔をします。
4回の攻撃権で10ヤード進めない場合、攻撃権は相手に移ります。

おもしろいのは、一つのチームにオフェンスとディフェンスの専門チームがそれぞれあることです。
たとえば、サッカーのクリスティアーノロナウドは、オフェンスもディフェンスもします。
しかし、アメフトの場合、オフェンスするチームはオフェンスのみ、ディフェンスするチームはディフェンスのみしかしません。
つまり、一つのチーム内にオフェンスチームとディフェンスチームの2チームがあることになります。

攻める専門、守る専門に特化しています。
さらに、ボールを蹴るだけの選手、相手を止めるだけの選手など、プレー内容に応じて特化された職業になっています。

この専門性に働き方改革のきっかけがあるように思います。
日本ではいろいろできる人が重宝されます。
営業マンの本業はセールスですが、資料作り、見積もり、出荷、配達など複数の業務を行います。
複数業務を行うということは仕事量が多くなり、残業が増える原因になります。

営業プロセスを分解し、アポイントメント獲得専門、資料作り専門、プレゼン専門、クロージング専門の人を置く企業があります。
専門の得意分野の技術を磨き、先鋭化し、売上を伸ばす作戦です。
専門化のメリットは業務の効率化と質の向上ですが、デメリットは専門の人がたくさん必要になるということです。